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MOCグランドオープンイベント_【ハイライト】総勢120名超え!宮崎オープンシティ推進協議会オープニングイベント開催

▲撮影:中山雄太(ひなた写真館

心地よい春風の吹く2025年4月18日、宮崎オープンシティ推進協議会(Miyazaki Opencity Council、以下MOC)のオープニングイベントが開催されました。場所は、宮崎市高千穂通にオープンしたばかりの「HAROW(ハロウ)」。クスノキの新緑が揺れる通りとガラス1枚隔てた真新しいMOCの新拠点での大イベントに、行き交う人々は思わず目を止めてしまいます。

会場に集まったのは、スタートアップ関係者、事業承継に関心のある企業、地域活性化に関心のある方、メディア関係者、投資家等々。1年前に設立されたMOCの注目度の高さが伺えます。5時間にも及ぶ本イベントで、語られたそれぞれの思いとは?

▲お祝いに駆けつけてくれた地元キャラクターたちと米良理事長(撮影:中山雄太)

【オープニング】各所から賞賛・期待の声が続々と

司会進行はMOC理事の1人、村岡浩司さん(一平ホールディングス)が務めます。

まずはMOCの理事長である米良充朝さん(共立電機製作所)の挨拶からスタートしました。

「これから宮崎はスタートアップ企業、承継組、食・農産業がつながり、掛け合わせ、混ざり合っていくことが必要です。そのためにMOCが縦割りの社会に横串を刺していく存在となり、挑戦していきます。5年後、10年後に『MOCが出来て良かった』と言っていただけるように、まずは私たち理事が覚悟を持って、一つひとつ取り組んでいくことをお約束します」(米良さん)

続いて、公民連携やスタートアップ支援の専門家3名から祝辞が述べられました。

まずは、内閣府政策参与 松尾泰樹氏がオンラインで登場しました。

「悪化した経済状況を変えていくには、大企業や既存企業だけでなく地域やスタートアップ企業による新しいチャレンジが非常に重要です。MOCによるオープンイノベーション推進の取り組みは聞くほどに素晴らしい。私たちも学ばせていただきながら、ぜひ一緒に経済を盛り上げていきたい。さまざまな連携でイノベーションを創出し、世界へ発信していきましょう」(松尾氏)

次に、福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局長の石丸修平さんがステージへ。

「ローカルスタートアップやイノベーションの創造、農業・畜産業の発展と、宮崎らしさを最大限に活かしたMOCの取り組みには敬意を評します。MOCが誕生して1年、各所で宮崎の元気さやさまざまな動きが聞こえてくるようになりました。全国に先んじて人口減少が始まり、課題が顕在化し始めたこの九州から、新しい価値を創造し未来に向けた挑戦に一緒に取り組んでいきましょう」(石丸氏)

最後は、エコッツェリア協会コミュニティ研究所長で、MOCのアドバイザーでもある田口 真司さん。「場づくり」が専門分野と話す田口さんからは、このような言葉が述べられました。

「これからの時代は、競争ではなく 『共創』。この熱量、そして自ら関わろうとする人の多さから、この共創の場は絶対に成功すると確信していますし、まもなく全国から注目が集まるでしょう。宮崎をハブにして全国、世界へと共創の素晴らしさを広げていきましょう。私も自分ごととして関わっていきます」(田口氏)

ここで、同協議会の創発本部長・杉田剛さんから、MOCのこれまでの取り組みや今後の計画、また本施設についての説明がありました。そして最後に、

「この場所は単なるワークスペースではありません。まちづくりやスタートアップ推進、企業間連携、イノベーション促進を目的とした共創の場です。単なる利用者ではなく共創者として交流と協働を広げていってください」

と、会場の一人ひとりに共創を求める言葉を届けました。

◾️2つのサプライズを発表!

ここでモデレーターはMOC理事の1人、齋藤潤一さん(AGRIST)にバトンタッチ。2つのサプライズが発表されました。

①共立電照×AGRISTで宮崎のブランドイチゴに挑戦!

MOCの理事を務める米良さん、齋藤さんが「まずは自分たちが一歩踏み出そう」と意気投合。お互いの自社技術を掛け合わせ、持続可能な農業実現に踏み出したことを表明しました。

②藤野英人氏がMOCスタートアップ推進顧問に就任

藤野さんは、東証グロース市場の上場企業であるレオス・キャピタルワークスの経営者。また支援するスタートアップを上場させてきた投資家としての経験も豊富です。

「スタートアップの成長には“仲間の熱量”が大きく寄与しますが、宮崎、MOCにはそういった熱量を強く感じます。私の経験をいかしながら、宮崎のスタートアップの成長を信じ応援していきます」(藤野氏)


さて、ここからはさまざまな分野から招聘した県内外の方々が登壇。パネルディスカッションで未来に向けた議論が繰り広げられました。

※各パネルディスカッションの内容は個別に記事化しています。リンク先でご覧ください。

【第1部:スタートアップセッション】

◾️パネルディスカッション①

<テーマ>公民スタートアップ連携でイノベーションを起こす「困難」と「価値」

◾️パネルディスカッション②

<テーマ>事業承継×スタートアップ「教えて津野さん」お悩み相談会

◾️スタートアップピッチ

ピッチ登壇者:

株式会社スーパーワーム 代表取締役 古賀勇太朗さん

株式会社HATSUTORI 代表取締役 服部かおるさん

合同会社MONSHIN 田邊輝真さん(note

株式会社漢方キッチン 阪口珠未さん

【第2部】次世代につなぐ地域イノベーション

【第3部】ここからはじまる宮崎まちづくりビジョン


【クロージング】多様性のなかで共創し、我々の“The Home Street”をつくろう

イベントもいよいよ終盤。クロージングセッションの前に、再びモデレーターを務める村岡さんから、MOCが誕生した高千穂通りの未来図が語られました。

宮崎駅から西に600メートル伸びる高千穂通りは、「車が行き交う道」から「混ざり合う場所」へ。3年の月日をかけて歩行空間が広げられ、キッチンカーやショップがポップアップで並ぶ「ほこみち」となります。

2028年完成予定の50本の街路灯。そこに掲げられるのは、宮崎のアーティスト・中武卓さんが描いたクスノキのアートフラッグ。そして、「The Home Street!」の文字が通りを彩る計画です。「混ざり合う場所」としての思想がこの場所に染み込み、誰にとっても愛すべき場所となるようにとの思いが込められています。

MOCは、そのような「まちづくりの拠点」の役割も担っていきます。

そして、本イベントを締めくくるのは、このメンバーたち。

本イベントのセッションを通じて生まれたパワーワードを振り返りながら、これからの宮崎、九州に期待を寄せる時間となりました。

会場には、オープニングからずっと参加している学生も。「地域は行政が主導してやっていくべきと思っていたが、この時間でやはり民間が主導していくべきだと感じた。自分も将来大きな歯車の一つとなって宮崎に関わりたい」といった感想を伝えてくれました。

また、小川綾さん(ワカツタ)によるパネルディスカッションのグラフィックレコーディングも披露。内容が即座に可視化されたグラレコに、会場から歓声と拍手が湧き起こりました。

会場に集まった数々のゲストからも感想や期待の声をいただきつつ、最後はMOC理事の前田真吾さんの言葉で締めくくられました。

「この建物は旧NTT局舎をリノベーションしたものですが、かつては宮崎女学校でした。女性たちが学んだこの場所が、時を超えてみんなが夢を叶える場所になりました。みなさんの協力のもと共創を育み、地域の活性化のためにさらに宮崎を盛り上げていきます」(前田さん)

5時間を超えるオープニングイベントは終了。熱気冷めやらぬ会場では、個別に交流を深めるネットワーキングタイムに移行していきました。

このような交流の場から共創やイノベーションが生まれ、地域経済を盛り上げる明るい話題がここMOCから続々と発信される。そんな日も近いのではないでしょうか。

(撮影:中山雄太)

▲交流会で提供されたケータリング。地元宮崎のさまざまな旬野菜をメインにつくられた、彩り豊かなお料理の数々(提供/I am Kitchen

(撮影:中山雄太)

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